今日の発表内容は盛りだくさん、少しずつこのプロジェクトの対外的な役割が見えて来たような気がします。特に圧巻だったのは盛岡農業高校の女子高校生3人(+引率の講師1人)の発表でした。内容は「盛農の岩手復興計画」〜塩性植物を活用した被災農家の復興と特産品づくりを目指した活動〜というもので、アサヒビールの環境教育プログラム「若武者塾」で岩手の被災農地の再生について研究・発表した高校生で、年末に最優秀賞を受賞。pptをテンポ良く進め、3人がパートを分けて一気呵成に物語を進めて行きます。プレゼンや講演に慣れている僕を始めプロジェクトのメンバーも圧倒されるボリュームと研究内容の深さ細かさ、自分のプレゼンがマンネリ化している事を恥じるような気持ちになるほどの新鮮な発見でした。地域の生物多様性を損なう事なく、地場産業として循環するこのプログラムが導入され、地域の方々とこの高校生達が笑顔で収まる写真を撮りたいと想いを馳せました。
そしてもう一つ、明成高校調理科の高橋先生が生徒と一緒に取組むリエゾンキッチンの「みんなの白菜物語プロジェクト」。白菜が日本に持ち込まれた歴史から浦戸諸島でタネを守ってきたことをなどを「ハクサイの絵本」(農文協)から知り、2010年3月から活動を開始し、現在災害復興のプロジェクトとして取組んでいます。地に足のついた活動、高橋先生の熱意、そして会議に参加した6名の高校生たちの勤勉な姿勢にプロジェクトのメンバーは心を打たれた、そんな空気感が漂っていました。僕もぜひこのプロジェクトの継続や発信のサポートをさせてもらえたらと思いました。そして11月11日「いただきますの日」プロジェクトを立ち上げた事を説明し、311,911によって11日が命の尊さを考える日になっている事も踏まえて、毎月11日に「いただきます」から命のつながりを考える日にしていきたい事もプロジェクトの皆さんにお話しました。一緒にイベントができると良いなと思います。
それから、とても大切な発表がありました。「市民がつくる亘理町グリーンベルトプロジェクト」です。この亘理町はいちごの産地としても有名でしたが90%が被害にあってしまいました。そこに多くの方々の熱意で立ち上がったのがこのプロジェクト。タネを拾い苗に育て土地を整備し植樹する、、、このプロジェクトを進める松島さんに「生物多様性と子どもの森キャンペーン実行委員会」をご紹介したいとお伝えしました。少しでもお役に立てればと思います。
そして、河田教授が取組む浦戸諸島の様々な調査です。白菜、牡蠣の養殖、生物多様性豊かな資産、歴史、文化、様々なエピソードを持った素敵な島々、この島のエピソードを聞けば聞くほど「生物多様性の宝島」のような島々、その復興支援です。復興というより「未来への橋渡し」と言ったような言葉で表現したくなるようなお話がたくさんあります。今後、仕組みとシナリオをどのように描いていくのか、このプロジェクトも少しでもお役に立てればと思っています。
そんな発表が続く会議、13時半から17時半まで10分の休憩を1回挟むだけの濃厚なものでした。このような熱意による活動がメッセージとなって、リオ+20での政治声明に反映され、日本本来の精神、そしてグリーン復興にこそ生物多様性の概念であり、見るべきものがあると世界の仲間に理解してもらい、リオ+20以降の地球保全の世界モデルとして本質を理解した活動が多彩なセクターの連携によって推進する事を願うのみです。その片隅で僕も存在していたいと思うのです。
帰りの新幹線まで駅前のお店で打上げと懇親会、CEPAジャパンの盟友で、このプロジェクトの事務局を担う服部徹くん、何と僕の弟と生年月日が一緒だと言うのが発覚。周りで聞いていた人からは道理でという声。兄弟のように動いているように見えたそうです。去年のWorldsift Forum 2011でも持論である、生物多様性の経済価値を話しています。とても様々な切り口でユニークに考えて、何事もエネルギッシュに情熱的に取組む服部くん、そのように周りから見えていたのなら光栄な事で、発覚を記念して書いておきます。
東北大学