2018年04月28日

ジャパニーズ・エコロジー 南方熊楠ゆかりの地を歩く

振り返ってみれば、盟友の水野雅弘さんが熊野に移住し、その地に生きた南方熊楠に日本のエコロジーの原点を見たという話を聞き、呼ばれるままに2016年2月に久しぶりに南紀に足を運んだのが始まりでした。

南紀は、学生の頃にバイクで野宿旅をしたり、関西支社勤務の頃は芦屋の実家から車でよく休暇で訪れていたのでした。しかし今回初めて熊楠というフィルターを通して見ると、これまでこの地域の本質を見ずに過ごしていたことに気づきました。

熊楠の視点でこの地を撮りたいという写真家としての思いが急激に高まり、2016年9月に水野さんの紹介で熊楠を研究するみ熊野ねっとの大竹哲夫さんからレクチャーを受け、南方熊楠顕彰館を訪ねたことから始まった熊楠詣で。

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そして、2016年10月、11月、12月、2017年2月、4月、5月、2018年1月と不定期ではありますが、なんとか時間を作っては足を運び、主に大竹哲夫さんのガイドという贅沢な熊楠ゆかりの地を巡る撮影を続けています。

これからも撮影は続けますが、すでに47箇所を撮影することができており、これまでの蓄積を一つの形として発表することを水野さんと考えなんとか形になりました。それも志で一緒に立ち上げた「一般社団法人CEPAジャパン」の事業に写真家としてです。コミュケーション会社のプロボノではなく、写真家という表現者として。これが極めて僕には重要なことなのです。

この年齢になって、ようやく自分がどのように生きたいのか素直に言えるようになってきました。「写真家として死にたい」これに尽きます。今回のこの企画はそんな僕に生きる力を与えてくれています。

さて、今回のまず初動は部数僅少だったのですが好評だった「ガイドパンフレット」。さらに、現在、日比谷図書文化館をキックオフに全国の図書館を巡回する企画として調整が進んでいます。

以下に今回の主旨を記します。

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南方熊楠は、抜群の記憶力と異常なまでの好奇心により明治時代にひらりと国境を越え、あらゆる知識と情報を森羅万象からひたすら英語と日本語に抜き書きし情報を提供しようとした人であり、生物多様性という概念の広さと深さを教えてくれるジャパニーズ・エコロジーの先駆者でもあります。

熊楠は、日本で最初にエコロジーという言葉を使って神社合祀に反対する自然保護運動を行いました。さらに、「風景を利用して地域の繁栄を計る工夫をせよ。追々交通が便利になったら必ずこの風景と空気がいちばんの金儲けの種になる」と言い、持続可能な観光による地域の経済振興も考えていました。文字通り100年早かった智の人でした。

現在、国内でも多くの社会課題と向き合う中で、国連が世界の国や地域と共有できる目標を掲げたSDGs時代と言われています。熊楠が知的財産になり得るかどうかは、インターネットによりあらゆる情報にアクセスできる我々に託されているのだとも言われています。

一般社団法人CEPAジャパンは、2010年に名古屋で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」で公式発言を実現し決議文の修正を行う成果を挙げました。この時に強調したのが自然と共生してきた日本人の暮らしです。それ以来、日本各地の暮らしの知恵に学び新たな価値も創造する、熊楠のような未来志向のジャパニーズ・エコロジーを目指して活動を続けています。

今回、CEPAジャパンでは南方熊楠ゆかりの地を国の名勝地として定められた「南方曼荼羅の風景地」13か所から、車で巡りやすい場所を選定したガイドパンフレットを作成しました。制作に際し、3年かけて47箇所の撮影を行いました。そんな写真に囲まれながら、熊楠に思いを馳せる時間を多くの方と過ごせる空間と企画を立案しました。

一般社団法人CEPAジャパン 
2018年春
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この思いに千代田区立日比谷図書文化館のみなさんが応えてくだって、下記のキックオフイベントが開催される運びとなりました。

「ジャパニーズ・エコロジー 南方熊楠ゆかりの地を歩く」
写真展・ポスター展
国際生物多様性の日の5月22日から6月17日まで。
撮影:川廷昌弘(公益社団法人日本写真家協会・一般社団法人CEPAジャパン)
協力:大竹哲夫(南方熊楠顕彰会事業部委員・み熊野ねっと)


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日比谷カレッジ
「ジャパニーズ・エコロジー 南方熊楠ゆかりの地を歩く」

6月14日(木)の夜7時から9時まで。
第一部:新しい南方熊楠の姿『南方二書』を改めて読む

講師:田村義也(南方熊楠顕彰会学術部長)
第二部:ジャパニーズ・エコロジー 南方熊楠ゆかりの地を歩く

講師:
田村義也(南方熊楠顕彰会学術部長)
   
大竹哲夫(南方熊楠顕彰会事業部委員・み熊野ねっと)
   
水野雅弘(株式会社TREE代表取締役・一般社団法人CEPAジャパン)
   
川廷昌弘(公益社団法人日本写真家協会・一般社団法人CEPAジャパン)

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主  催:千代田区立日比谷図書文化館

企画協力:一般社団法人CEPAジャパン
特別協力:南方熊楠顕彰館(田辺市)


詳細は日比谷図書文化館のサイトへ


ぜひお越しくださいね!

posted by 川廷昌弘 at 00:00| Comment(0) | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする