2016年04月07日

春の夜、雨上がり、海鳴り

雨が上がり、潮の匂いがする湿った南風が、気まぐれに強く吹きます。

夜、帰宅して玄関の扉を開くと家の中の方が冷んやり軽く感じて、外の気温が思いのほか高いことに気づかされます。

部屋に入ると、ドンドンと風が窓を叩く音。その窓を開けると、潮の匂いとともに生暖かい空気が入ってきて、ゴーっと海鳴りが空から聴こえてきます。

海辺に住み始めて知った、風物詩のようなこの体験が、僕はとても好きです。

いつの間にか冬から春へ、そして初夏への季節の足音が、聴こえてきそうな、体に染み込むような、なんともワクワクする幸せな瞬間。

アスファルトには桜の花びらが散っている。そんな季節の夜。今の気持ちを留めたくて素直な気分を残しておきます。

「松韻ー劉生の頃ー」の中に、春の南風の日の写真があるのを思い出し、海鳴りを聞きながら眺めています。


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2016年04月02日

故郷の桜、芦屋の桜。

桜前線が関東や関西を彩る週末。

このタイミングで帰郷できないので、昨年の早春に出版した写真集「芦屋桜」をめくっていたら、実家の母から携帯で撮った家の前の並木の夜桜の写真が送られてきました。このタイミング。グッときます。

この写真集について少し振り返ると、阪神淡路大震災から10年の節目に、被災者の目線で震災前後の芦屋を撮り続けた写真集「一年後の桜」を出版。そのテレビ取材が2006年にありました。内容は、その後の桜をテーマに撮り歩くものだったのですが、それをきっかけに桜樹に誘われるままに故郷の町をくまなく歩くという幸せな撮影を毎年続けることにしました。

震災から20年の節目に、芦屋の変化を見守っている桜にメッセージを託し形にしたいと思って、ご縁のあった出版社ブックエンドの藤元由紀子さんに見てもらったらその場で出版が決定。ブックデザインは吉野愛さんで、撮影者の想いをギュッと掴んでさらに魅力を発散してくださるようなエディトリアル。製版は僕の暗室ワークの全てを見抜かれる鋭い眼差しを持った日本写真印刷の中江一夫さん。そして解説文は、ずっと僕の写真を見続けてくださっている元芦屋市立美術博物館の学芸課長で甲南女子大学教授の河崎晃一さん。

昨年開催された、芦屋市立美術博物館の小企画展「光の空ー阪神淡路大震災から20年ー芦屋」に、学芸員の大槻晃実さんのご厚意で「一年後の桜」と一緒に「芦屋桜」も並べていただき、とても良い節目にしていただきました。

時々は地上に顔を出して”光の空”を眺めてきましたが、常に地下に潜るかのように、長いトンネルの中にいるような苦しく感じることも多い作家活動。しかし、自分の世界観を撮り続けなければ写真家にあらず。自分の今の気持ちを表現する喜びを維持して、これからもコツコツと続けたいと心に期する桜の日です。

写真集の帯に抜粋された僕の文章です。

目の前に佇む
桜を撮影すると、
次々と
桜たちに招かれ、
町の隅々まで
巡り続ける。

こうして
生まれ育った
町との絆を
確かめながら、
僕は
桜の風景を
撮る。

こちらはFacebook「芦屋桜」のページです。よかったら「いいね!」してくださいね。

作品は、僕のウェブサイトでダイジェストですがご覧いただけます。
「 一年後の桜」のページ
「芦屋桜」のページ

いずれもamazonで購入できます。お気に召したら、よろしくお願い致します!

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写真集「芦屋桜」より

posted by 川廷昌弘 at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする