2011年11月27日

海と田んぼからのグリーン復興プロジェクト

東北大学の「海と田んぼからのグリーン復興プロジェクト」の年内最後の会議に出席しました。  

5月の第1回目の会議からすべてに出席していますが、特にまだ僕自身が具体的に取組めるものがあるわけではありません。阪神淡路大震災でタンスの下敷きになった、自分の経験が活かしきれていない焦りに似た気持ちを抱き続けながら、コミュニケーション領域で何が出来るのかの模索を続けてきました。そろそろ今回で、ある程度のメドを立てなければ自分の存在の意味を見いだせないと考えての出席でした。

そのために、まず頭に置いたのは環境省が打ち出している「三陸海岸復興国立公園構想」です。この構想の中に南北350kmに及ぶ三陸トレイル構想があります。これはただ遊歩道を作るだけでなく、継承するための学びのプログラムも検討されています。三陸ならではの自然資源、入り江ごとの文化、津波の経験、環境教育、地元学、そして災害教育という観点も含めて自治体、非営利団体、地域の方々、そして場合によっては企業など、多くの協力によって一つ一つのプログラムやツールが出来ていくものだと思います。これなら僕が追いかけているテーマである、生物多様性の教育とコミュニケーションCEPAの貴重なグッドプラクティスになります。そして、環境省が掌握して全体プログラムのように取りまとめをしていく、、、これから3年、5年、じっくりと時間をかけて作り上げ、完成なき完成品を目指すもののように思います。

桂島、野々島、寒風沢島、朴島の有人島、そして多くの無人島からなる松島湾の入口にある浦戸諸島。ここは寒冷地と暖地の出会う場所で多様な自然植生からなり、多彩な歴史、文化、自然、暮らしがあります。様々な遺跡から遊郭にまつわる史跡まで、そして仙台藩にまつわるお宝伝説、仙台白菜の種を取るための菜の花栽培など、実に多様な資産を持つ諸島であるようです。この地で、震災の前から蝶々などの昆虫と植生などの生物多様性を調査されていた河田雅圭教授の推進により、この復興プロジェクトの中でアクションが検討できるのではという事で、蕪栗沼でふゆみず田んぼに取り組む「NPO法人田んぼ」の岩渕成紀理事長が寒風沢島の水田を調査したところ、塩竈市で唯一の田んぼであり、昔からふゆみず田んぼを実践していた元祖のような場所であり、そのためか塩が抜けた後に調査をしたところ、とても豊かな田んぼである事が判明しています。岩渕理事長はこの調査研究結果を、先日モントリオールで開催された生物多様性条約の研究者会合で発表し、満場を拍手喝采を受けて帰国したばかり。今日はその講演内容も披露され、改めて会議全体で共有を図りました。

松島周辺が、復興国立公園に指定されるのかは定かではありませんが、三陸トレイルのルート内に入ってくるものと思いますので、この調査研究結果も含めてこの周辺の地域の宝を改めて把握して、どのようなプログラミングができるのか、どんな教材ツールが考えられるのか、まさにコミュニケーション領域の力が必要になってくると実感しています。多くの方々と完成なき完成品を目指してみたいと心に期すものを、ようやく持ち帰ることができた今回の仙台でした。


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前日の東京駅にて


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東北大学の樹齢200年のイチョウ


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足元には小さな秋も

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2011年11月23日

国連生物多様性の10年記念フォーラム

国連生物多様性の10年記念フォーラム「生物多様性の10年を広げよう」
GEOC主催、CEPAジャパン共催でこのようなイベントを開催します。

CEPAジャパンとしての仕掛けのポイントは、環境省の2人の室長、国家戦略策定の奥田室長、主流化を担う牛場室長を招いて、来年COP11前に施行するCOP10の成果を踏まえた新しい「生物多様性国家戦略」と、そのCOP10の大きな決議の一つである「愛知目標」の達成に向けた「国連生物多様性の10年」を推進する主流化施策、このシナジー効果をいかに引き出していくのか、そのために環境省内の連携と「国連生物多様性の10年日本委員会」というプラットフォームを活用して、全セクターを越えていかに連携するのか、自らがどの領域を担うのか、という机上論ではなく他人事ではなく、政府、自治体、企業、教育機関、市民、みんなが主体者として参加実感を持って取り組むためのヒントがたくさん出せればと思います。基調講演の香坂さんの視点も楽しみですし、スペシャルゲストとして堂本さんも駆けつけてくださる予定です。

それと名古屋からユースを代表して高校一年生の徳武くんが来てくれます。彼とはCOP10の100日前イベントで出会って以来の付き合い、次女と同じ歳ということもあって何とも不思議な気分で向き合っています。

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■開催概要
 日 時 :2011年12月10日(土)13:30〜16:30(開場13:00)
 会 場 :地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
 主 催 :地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
 共 催 :一般社団法人 CEPAジャパン
 協 力 :特定非営利活動法人 シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
       国連生物多様性の10年市民ネットワーク(UNDB市民ネット)

■ プログラム(一部調整中)
内 容 :
第一部 基調講演 
    香坂玲氏(名古屋市立大学准教授/国連大学高等研究所客員研究員)
    『愛知目標を理解し、どう地域で行動に落としていくのか
                     :国際交渉動向と今後の展開』

   
第二部 リレートーク&パネルディスカッション
『行動を起こすために・・さまざまな立場から』   
     牛場 雅己氏(環境省生物多様性施策推進室長)『生物多様性の主流化』
     奥田 直久氏(環境省生物多様性地球戦略企画室長)
            『新しい生物多様性国家戦略の策定に向けて』
     河合 太一氏(横浜市環境創造局政策課)『動き始めた自治体』
     川廷 昌弘氏(CEPAジャパン)『もっと身近に-市民への普及について-』
     徳武 雅也氏 (環境団体NEO)『愛知県の高校生が思い描く未来』
     道家 哲平氏(日本自然保護協会/IUCN-J)
         『愛知ターゲット達成に向けた、にじゅうまるプロジェクト』
     服部 徹氏 (CEPAジャパン)
         『2020年 愛知ターゲット達成社会とビジネス』

     モデレーター 今井 麻希子 (GEOC「つな環」編集委員)

スペシャルゲスト:堂本暁子氏(前千葉県知事/生物多様性の10年日本委員会)

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今日は穏やかな日中、こった肩をほぐす意味でも暖かな陽射しの下、1時間ほど波乗り。水温が異様に高く気持ちの良い海でした。


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鵠沼海岸


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2011年11月20日

昨夜の海鳴りに誘われて

昨夜、関西のセミナーから帰宅してずいぶんと暖かいなと感じつつ書斎で作業をしていたら、何か唸るような音が聴こえるので窓を開くとゴーっという海鳴りでした。雨も上がり気温も高く、まるで初秋の台風一過のような空気感。

そういえばこの「台風一過」も気候変動の影響で本来の使い方ができなくなるのでしょうか。このところは極端な大型化や、湿気を伴った空気を引き連れてくるためすっきりしない台風の後の天気、そして今回、南海上を通過した低気圧によってこんな季節にこんなに気温が上昇して、例えとして使っています。一つ一つを挙げても仕方がないのですが、一つ一つの積み重ねで気候変動、地球温暖化に対する確信を持っているのも確かですね。

さて、そんな昨夜は、夜が明ければ久しぶりのビッグウェイブかと心躍り、遠足前夜の子どものような気分でいましたが、午前中はかなりハードなコンディションで見合わせて12時ごろに波チェック、よく見ているとゲッティングが厳しく西への潮の流れがかなり早いのが見て取れます。しかしショートボードがかなり沖に出れている様子を見てかなり悩んでから、自分の体力を確かめるためにも入ろうと決めて着替えに戻りました。

13時過ぎに波打ち際、まだまだ沖に出るにはまとまりも悪く厳しいコンディションでしたが、チカラを抜いてパドルを始め、次々に来る波をローリングスルーで何度もやり過ごし消耗しましたが、スッと沖に出るあの感覚が訪れてくれました。すると久しぶりに水平線から壁が迫ってくるような雄大な眺めが待っていました。周辺にロングボードは見当たりません。

一人かなり沖で波を待ち、壁のようなウネリを背後に捉えて思い切って波に乗ると、すっぽりと波の日陰に入ってしまうようなサイズ。ぐいぐいと板を走らせ抜け出ないと叩き付けられると相当痛い思いをしそうな水量です。1時間ほど入りましたが、とにかく大きい波を選びに選んで2本だけ乗って上がりました。気温も水温も高く風も弱い気持ちの良い海。

さて自分の体力チェックですが、最近は海に入る頻度がかなり減ったものの、まずまずだったと思います。

良いご褒美をいただきました。


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鵠沼海岸


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11月の空には思えない生暖かい夕暮れ

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2011年11月19日

政策提言地域セミナー大阪

高松、東京、宮崎、広島と巡業してきた生物多様性セミナーの第5弾であり最終回は大阪です。講演はこれまで通りの2本セットでIUCN-J道家哲平さんの「COP10などの決議に関して」と、僕の「国際条約と暮らしをつなぐCEPA」です。終わってから主催であるシーズの方々に言ってもらいましたが、僕の講演は毎回変化があって面白かったとの事。僕にすれば今の僕の思考を伝える事が大事だと思っていましたが、褒めてもらってホッとしたというのが本音です。

さて関西です。自分が関西人だからそう思うのか、琵琶湖から流れ出る淀川流域を主軸にしたような関西地区、京都、奈良といった古都、そして港町神戸、くいだおれの町大阪、多彩な自然と文化に彩られた関西は生物多様性という概念を意外とスッと暮らしに落とし込めると思っています。2010年3月に環境省の主催イベント「生物多様性EXPO」の時につくづくと感じたのでブログにも書いていました。

関西の事例発表は滋賀県と福井県の県境にある「山門(やまかど)水源の森を次の世代に引き継ぐ会」です。ここは薪炭林が、拡大造林によって一部がヒノキの山となり、手入れが行き届かない山となったようです。日本の植生分布から見ても南と北の植物の境界線のような場所で、特にユキツバキの南限で、ヤブツバキとの自然雑種となり色や花の形が実に多彩。また古代湖である琵琶湖周辺でありこの地区の湿原は3万年前に誕生した事がわかっています。その湿原、バブル期にゴルフ場開発の話が持ち上がりバブル終焉によって守られた場所、造成のため一時期乾燥帯になって森林化したようですが、現在は保全活動の成果によって元の湿原の姿に戻っています。またナラ枯れ対策などのためコナラの皆伐や、ササユリ保全や希少種の増殖のために細やかな下草刈りなどの森林整備を行っています。何より自治体との長い向き合いから顔の見える信頼関係を構築し活動を推進する体制を整えつつありました。

湿度が高く生暖かく激しい雨の開催となりましたが20名ほどの方々が足を運んでくださって活発な意見交換もできました。このセミナー、各会場で地域の事例を聞く事ができまさに「決議と暮らしをつなぐ」場になっています。今後もこのようなスタイルの地域セミナーが開催されウェブでアーカイブされていく事で地域と地域をつなぎ、センターで取りまとめる仕組みができると良いなと思います。

午後はにじゅうまるプロジェクトのセミナーも併催され、こちらでは「生物多様性かんさい」の事例発表がありました。代表世話人の宮川五十雄さんはCEPAジャパンの運営会員でもあります。昨年COP10に向けて生物多様性を暮らしで実感できるように制作した「5ACTINS!!!!!」を関西風にアレンジした「7つのエーコと」を開発した組織で、企業の方も含め幅広い人脈の中で活動を推進しています。同じ関西人としてとても共感できる組織です。


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会場となった大阪市自然史博物館


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大阪駅もずいぶん変わりました


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2011年11月16日

「アフターマス 震災後の写真」に「一年後の桜」

深夜に帰宅してポストをのぞいたら一冊の本が謹呈として届いていました。

差出人は写真評論家の飯沢耕太郎さん。珍しいこともあるものだと思って開封するとこのタイトル。あれ、もしかして、と思って慌ててページをめくったら、やはり!

阪神淡路大震災から10年後の2005年に出版した僕の写真集「一年後の桜」がしっかり紹介されていました。この写真集は震災前の1991年から2005年までの15年間、生まれ故郷の芦屋を撮り続けたものです。飯沢さんの内容を紹介する文章はこのように締めてもらっていました。「時の経過と写真家を取り巻く状況の変化が、写真にしっかりと写り込んでいる。」僕には最高の褒め言葉です。感謝です。

さらに、「時を隔てた複数回の撮影によって震災のアフターマスを粘り強くフォローしていこうとする視点、、、そのことは、東日本大震災においても充分に有効性をもっている、、、」とも。

被災者として2つの大震災を比較できるはずもありませんが、このように取り上げてもらい誰かの表現のヒントになるのであれば、震災直後に同じ被災者だったにも関わらず、頭をドツカレながら撮影した日々が報われます。本当に嬉しいです。

人生は面白いですね。突然サラリとこんなハプニングを提供してくれて。


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アフターマス 震災後の写真


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紹介してもらった僕の写真集「一年後の桜」

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2011年11月12日

藤沢市地球温暖化対策地域協会と近隣大学生との意見交換会

僕の環境に関する仕事は地球温暖化対策から始まったのですが、そのときに会社の業務だけでの限界を感じて地元藤沢市の地球温暖化対策地域協議会に関わり始めました。当初は藤沢市からも当時の会長さんからもアドバイザーという立場で関わって欲しいとの事だったのですが、次の会長さんから副会長を引き受けて欲しいと言われ、今はさらに次の会長さんのになり、僕もさらに多忙になって協議会、幹事会には最近ではほとんど出席できない幽霊会員になってしまっているのですが、今でも副会長、、、申し訳ないと思っていますので、今回のご依頼は快諾させていただきました。2年前にも引き受けブログにも書きましたが、大学生とのワークショップのファシリテーターです。

今回も近隣大学から10名が参加、協議会10名、湘南エコウェーブの自治体である藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町からそれぞれ1名。今回は協議会の方々がテーブル毎にテーマを決めていて、「森林」「省エネ」「新エネルギー」です。しかしこれではワークが進みませんので、こんな投げかけを今回もしてみました。「ここは10年後です。あなた達はここ湘南で素敵な暮らしをしています。2011年にどんな施策を自治体に提案して今があるのですか?」

どんな気持ちでこの会に参加してくれているのかは1分自己紹介で語ってもらって、学校での取組みを事例報告で10分づつ実施、そしてワークに入りました。学生たちが積極的に意見を言ってくれる姿がうれしく、テーブルの外から発言をより引き出すために声をかけていきました。中にはとても早口で評論家よろしく一人で語ってしまう学生もいて、ワークショップの基本は「テーブル全員の意見を聴く事」「肯定的に考える事」と2つだけ口を挟むと、素直にこれはいけないとすんなりと良い空気に変化、良い感じで時間が流れて行きました。

そして最後の発表では、「森林」は現状、対策、今後の施策という整理ができていたり、「省エネ」では「がんばらない省エネ」という言葉で整理して国の電気買い取り精度から新エコタウン構想まで仕組みを考えていたり、「新エネルギー」では湘南らしいエネルギー源でライフスタイルの変換を考えていて、とても充実した半日となりました。

自治体として市民にもっと見えるカタチで施策を打ち出すなどの必要がある藤沢市が、ここで得た恊働という現場感を持ち帰って職場で施策として活かす事を期待したいと思います。


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11月12日 鵠沼海岸
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2011年11月11日

11年11月11日「いただきますの日」を制定

とても記念になる日となりました。11年11月11日。

事の起こりは、宮崎出張の際にテレビ宮崎の田口営業局長と久しぶりに会って会食した時の事でした。最近、生物多様性というキーワードを普及する事をいろいろ考えているが、宮崎で何か良い取組みはあるかと聞いたら、教育委員会との取組みの中に「弁当の日」というのがある。これは子どもにいのちのつながりや感謝の心を育むのにとても良い。と教えてもらい、この活動を推進している共同通信の田村さんを紹介してもらったのでした。

そして初対面でいきなり都内で「弁当の日」の仕掛人である竹下和男先生の講演を開催しようという話になりました。僕としては生物多様性の普及事業という狙いもあったので、「弁当の日」を拡散する仕組みとして何かコンセプトをと考えた際に、様々な感謝を表す「いただきます」にした活動を作れないかと言う事になり、それならと、ジアスニュース編集長有福さんが暖めていた「11月11日をいただきますの日に」企画をThink the Earthの長谷部さんが紹介してくれた事で一気に話を固めました。思い立ってから1ヶ月ほどで今日を迎えた事になります。様々な人の熱い想いを凝縮して一気に動き出した、そんな流れでした。


生物多様性の理解のためのキーワードとして「いただきます」を活用してみようと思い立って数年。多くの人がこの言葉ですでに活動したり、これから活動をしたいと考えているのを踏まえて、大きなコンセプト「地球に生きることに感謝する日」と捉えてみようと今は考えています。「いただきます」は毎日の習慣ですが、11月11日を「いただきますの日」として1年に1日「いただきます」の意味にについてじっくり考える日として様々なイベントを仕込み、できれば毎月11日も関連するイベントや情報発信をしていければと考えています。311、911、いのちの尊さを考えざるを得ない日に偶然なっています。ですから毎月11日を「地球に生きることに感謝する日」としてみてはと思っています。

それから思いついたことをTwitterにつぶやきました。
「いよいよ本日「いただきますの日」です。11年11月11日11時11分、これだけたくさんお箸が並ぶ時間に、「いただきます」という言葉について、皆さんの想いをつぶやいてみませんか? 」そして僕は「今日は「いただきますの日」、11年11月11日11時11分、お箸が沢山並びました!「いのち」「自然」「労働」「知恵」「一緒に食卓を囲でくださる人」すべてに感謝をする「いただきます!」は生物多様性のキーワード! 」とつぶやきました。多くの方々が同調してくだっさって面白い広がりになりました。感謝です。

さて、「いただきますの日」の基調講演は、教育界の綾小路きみまろとも言われる竹下和男先生の講演。10年ほど前から取組み始めた「弁当の日」は今では46都道府県で約800校が導入しています。これは子どもに給食の有り難さを理解させるために始めた活動。ですから給食反対ではなく給食賛成だからこそ、年間に5日ほど5、6年生に弁当を自分で作ってくるようにさせます。すると食材の仕入れ、献立、調理、盛りつけ、片付けなど全てを一人でできるようになり、経済から健康の理解や知恵、そして多くの感謝の心まで、様々な学びとなっているのです。さらに低学年への刺激となり、子ども達にとっては楽しみな行事として定着していくようです。年間5、6日だけの行事ですが、それも良いようで、作って来なかった子ども達も段々と作るようになり、最終的には全員が作ってくるようになるようです。そして「弁当の日」を経験した子ども達は、男女関係なく大人になっても自炊を自然にするようになっているのです。「弁当の日」とは単に子ども達が自分で弁当を作るだけでなく、「生きるチカラを育む」「人間力の育成」になり、さらに「家族の絆」「親も育てる」「コミュニティの見直し」、そんな行事になっていました。

この講演を実現しようと考えたときは、この「弁当の日」がこんなにすごいものだとは思いませんでした。いきなり冒頭からある家族の感動に震えるスライドショーから始まりました。すると、会場にいる男女のほとんどが目を潤ませ、いや涙を流し、いや泣き始めてしまいました。そうなのです。いきなり泣きから始まったのです。しかし悲しい涙ではなく、人間の素晴らしさ、家族の絆の美しさに対する涙でした。その後は竹下先生の涙と笑顔を自由自在にコントロールされてしまうあっという間の90分でした。

特に印象に残ったキーワードは「今から動く。」これは何も後悔する必要はなく、思いついたらその時点から始めれば良いという事。何も困る事はないという考え方です。それと「やって欲しいことはやってみせる。」あれをやれ、これをやれと言っても言葉では伝わりにくい事もあるし、それによってお互いにストレスになる事も。でも行動で示せば、言っている事もわかるし、それだけ相手に対して気持ちを向けている事が伝わるという考え方です。これは身に沁み入りました。

この講演のために「いただきます」というコンセプトを考えたのですが、しかしそのコンセプトが普遍的であり誰もが共有できるものであったので、とても良いプロジェクト体制が出来ました。改めて記すと、共同通信の田村さん、Think the Earthの上田さん、長谷部さん、ジアスニュースの有福さん、日経BP社の松井さん、黄さん、Green TV Japanの水野さん、MAQの山阪さん、ともに動いてくださった仲間に感謝です。

さらに仕上げは会場で行いました。それは、会場に来られた全員の拍手を得て賛同とし、11月11日を「いただきますの日」に制定したのでした。参加者の皆さんが証人であり承認人です。ありがとうございます。

そして会が終わって竹下先生との懇親を兼ねた打ち上げ。先生の年間講演本数は200本を越えています。年間で数万人の方がこの素敵なお話に触れている計算になります。ご本人はあまりに多忙なので各地に第2、第3の竹下先生が出てくる事を期待されているとの事。そしてこのテーブルを囲む人たちが、竹下先生に変わって「弁当の日」を語って欲しいとも。

僕は先生の話を聞いて一つTwitterでつぶやいた事を白状しました。

「竹下和男先生、恐るべし、弁当の日の意味がわかりました。素晴らしい。僕は48歳ですが、30年以上前に母が作ってくれた弁当を、これから母から教えてもらおうと思います。」

素敵な一日になりました。感謝。


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冒頭の主催者挨拶で「いただきますの日」についてお話しました


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笑顔と涙をコントロールする竹下和男先生


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会場全員でダイアログ


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自分の想いを伝える時間


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著作にサインをいただく列
(写真はすべて共同通信からご提供いただきました)


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2011年11月09日

横浜市環境創造局で講演

横浜市で講演をしました。

会場は横浜開港記念会館、国の重要文化財です。横浜開港50年を記念して大正6年(1917)に建てられた赤煉瓦の公会堂。これまでの横浜市の主催イベントやNGOのイベントで何度か足を運び、こんな場所で講演できたら良いなと思っていたので、とてもうれしくテンションが上がる会場でした。

今回は横浜市環境創造局という職員が1000名を越える大きなセクションからのお声掛けで、環境創造局職員業務研究改善事例発表会の基調講演という位置づけです。この発表会、なんと2日に渡って15分刻みで次々と発表されるもの。

横浜市の快適な環境を創造する局として、水、緑、土、大気という幅広い分野をカバーしており、横浜市民の暮らしそのものを支える縁の下の力持ち達の発表です。下水道の技術的な話から自然公園の観察会までバラエティに富んだ内容。まさに「社会、経済、文化の基盤である生物多様性」の概念をベースにした組織でもあります。

しかしながら、この発表会、市民にも解放されているのですが、一般市民の方の姿は見受けられませんでした。もっと市民が足を運びたくなるようなコンセプトを考えて、横浜市の基盤を市民と一緒に考える機会にしていかなければならないのではないかと思います。

さて、依頼された講演のお題目は自治体と企業の連携に向けたアドバイスをとの事。生物多様性の保全や、自然資源の持続可能な利用は、自治体がキーパーソンです。企業との連携だけでなく、政府、メディア、教育機関、市民団体などマルチステークホルダーとの連携を視野に入れた自治体の意識作りが必要だと考え、企業との連携を入り口に全てのステークホルダーを意識してもらえるような流れを作って1時間で60ページのpptで講演しました。

企業との連携のために「国連生物多様性の10年は3.0の時代」と称して、マーケティング3.0、モチベーション3.0、CSR3.0、そしてISO26000のマルチステークホルダープロセスによるガイダンスという話までを整理して説明し、ところで職員の皆さんの意識はバージョン1.0?、2.0?、3.0?と質問して、マルチステークホルダーとの連携の話に展開。ここでは基本的に環境省が推進する国連生物多様性の10年日本委員会の今後について話しました。というのも横浜市は10月に立ち上がった「生物多様性自治体ネットワーク」の副代表の立場です。これから全国の自治体に対して様々な情報発信を行いリーダーシップを発揮して、国際会議の舞台でも日本のグッドプラクティスを発信していくミッションを背負っていると言っても過言ではありません。

去年のCOP10でつくづくと感じたのですが、国際会議の運営の枠組みの中に、あまりにも日本の事例発表が少なすぎるのです。名古屋が会場ですから、会議場外の公園ではサイドイベントとして日本の出し物に溢れていますが、公式のプログラムの中に自治体や市民、研究機関の発表があまりにも少ないと感じました。言語の問題も大きいと思います。僕自身、英語は日常会話すら出来ないのですが、、、

この国際会議の枠組みでの発表には意味があって、特に生物多様性の場合は、この概念そのものは日本の生活文化そのものに染み込んだ概念。自然共生というのは言葉にしないでも様々な暮らしの知恵や歳時記、年中行事に現れています。これを紹介するだけでも、他の国々の生物多様性の保全や自然資源の持続可能な利用の有益なヒントにもなると考えています。

これもまさに僕がフォローしている生物多様性条約事務局が提唱するCEPA(コミュニケーション、教育、普及啓発)の領域です。つまり日本の各地域にはCEPAのグッドプラクティスが溢れている、生物多様性が本来は豊かな国なのです。

一般社団法人CEPAジャパンを縁があって5月に横浜で設立して以来、そんな想いで横浜市の方々ともおつきあいをしていますので、今回のこの講演では単に情報提供するだけでなく、壇上から来年度の活動に関するプレゼンテーションも行いました。ここではその内容は控えますが、来年、横浜市で多彩な活動ができるように、皆さんの想いをカタチにしましょうと提案しました。

すでにその反響をいただいています。生物多様性の主流化に向けて、足元から一歩一歩、想いを共にする方々と進めていき、多くの方々とさらに大きな運動体になっていけばと考えています。


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重厚な応接室


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登壇者の控え室への廊下


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舞台から見た客席


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講堂

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2011年11月05日

よこはま環境行動フェスタ2011

今日は、横浜のみなとみらいにあるクイーンズスクエアで、横浜市環境創造局主催による「よこはま環境行動フェスタ2011」のステージでお話してきました。会場はクイーンズスクエアの吹き抜けの人が多くあつまる場所に特設されていました。それと「よこはま食と農の祭典2011」との併催になっており、生物多様性という概念を暮らしから実感するにはうってつけの会場、、、

そうなんです。依頼され、そして会場に着いてからも、僕のような人間が一般の方々に生物多様性の話をするなんて、いったいどうすればいいのか途方に暮れていたのです。しかし横浜市からの依頼でもあり、何とかこの機会を活かさねばと悶々としていました。控え室でもどうしたら良いかとテンションを上げながらひたすら答えをさがしましたが見つからず、何かヒントがないかと直前まで会場を歩いて、一つだけ見つけて戸惑いのままステージへ上がりました。

進行はヨコハマ経済新聞の杉浦さん、CEPAジャパンの設立総会からのお付き合いですが、同い年という事もあってとても仲良くしています。今回のこのステージは横浜市からの依頼で杉浦さんが仕掛ける「ヨコハマ・エコ・ビューイング」(毎週火曜の夜にUstによるヨコハマの環境キーパーソンへの公開取材)のスペシャル版だそうです。

一緒にステージに上がってくださるのはGreen TV Japan代表でありCEPAジャパンの理事の水野さん、僕の活動の同志であり、よき先輩であり、よきパートナー、、、なんと言ったら良いのでしょう。昨年はCOP10のオープニング映像を政府から厳しい競合を勝って共に制作し、さらに想いを熱く共有。生涯のお付き合いになるんだろうなと勝手に想像しています。冒頭は水野さんの活動であるGren TV Japanの紹介、そして僕の紹介のあと、少しだけ「国民運動の作り方」なんてお話もして、、、しかしポイントを作れないまま、ステージでは焦れまくっていました。

杉浦さんが柔らかく進行して話題を散りばめてくれるのですが、うまくつかめず焦る一方、そしてその焦りのピークの時に「生物多様性を守るために私たちのできること、5ACTIONS」の説明です。映像を見ると思わず僕はこの流れは難しいです、と本音をこぼしています。このアクションは九州大学の矢原徹一教授が講演で「わたしたちのできること」をお話されていたのを聞いて感銘を受け、その講演直後にご挨拶をして僕にこれをツールにさせていただきたいと申し出て快諾していただいたもの。さて、この5つめのアクションの説明をした時です。ようやく電撃が走ってくれました。一気に降りて来てくれてステージで思わず立ち上がって熱くなって話し出してしまいました。

そうなんです。ここは消費行動のルツボ、全ての方が自分の暮らしを彩るために稼いだお金を使って地球からの贈り物を買うのです。それが本当に地球からの贈り物なのでしょうか?地球が痛みを伴い、もしくは持続可能な営みを破壊して寿命を削りながら贈ってくれたものではないですか?それを無意識に購入し続けて大丈夫ですか?あなた方には何も責任がないと言えますか?さすがにステージでそこまで頭は整理できません。しかし気付いてしまいました。このイベントの本質を、意義を、ギリギリだった、しかし間に合った、そんな感じです。これこそが「国際条約と暮らしをつなぐ」具体的なアクションになるのではないか、そんな想いです。

それと会場で出会った「10歳からのお弁当」というリーフレットを説明する事を忘れていませんでした。このリーフレットからも10歳というキーワードで教育の重要性も話す事ができました。そしてこのお話は今年の11月11日にキックオフする「11月11日をいただきますの日に」というプロジェクトの精神でもあります。きっと連携していける事でしょう。

このステージでの発見によって僕は来年の構想ができてしまいました。ステージを終えて横浜市の皆さんに案内をしていただき屋外のブース出展も視察、ますますイメージが沸いてきます。横浜市の取組みはしっかりまとめてカタチにすればかなりのグッドプラクティスの集積です。まだここでは吐露できませんが、必ず、この想いをカタチにするでしょう。それだけはここで約束できます。政府、自治体、メディア、企業、そして市民、様々なチカラを結集して、来年、必ず、これまでなかった取組みをカタチにしようと心に決めました。

その熱きステージはこの映像です。
ヨコハマ・エコ・ビューイングVol.14 川廷昌弘さん、水野雅弘さん2(2011/11/05)
6分あたりからしばらく見ていただくと全てご理解いただけます。


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思わず立ち上がって叫んでいます


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こんなセッティングでした


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屋外のブースです


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まさに消費行動のルツボ、クイーンズスクエア横浜


posted by 川廷昌弘 at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする